2025シーズン限りで数年続いたF1のレギュレーションが一区切りとなり、2026年は新規定で新たな戦いがスタートする。
キャデラックが加わり全11チームに拡大し、パワーユニットはレッドブル・パワートレインズがフォードとタッグを組み、さらにはアウディが加わる形に。一方でアルピーヌが自社製PUではなく、メルセデスPUのカスタマーとして参戦。5メーカーがPUを供給する状況となっている。
2024年と2025年に続き、2026年も年間24レースで過去最多タイの戦いとなるはずだった。だが2026年3月14日、中東情勢が不安定化していることもあり、第4戦バーレーンGP、第5戦サウジアラビアGPが開催見送りと発表された。そのため、22レースで実施される見通し。
シルバーストンでの劇的な幕切れから中1週を経て、2026年シーズンのF1は緑深いアルデンヌの森に佇む伝統のコース、スパ・フランコルシャンで開催される第10戦ベルギーGPへと舞台を移す。
今回の最大の注目は、ランキング首位を走るメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリの逆襲だろう。前戦イギリスGPでは、セーフティカー導入の波乱の中で痛恨のマシントラブルに見舞われ、戦線を離脱。
一時は66ポイントあったランキング2位とのアドバンテージは、直近の不運により25ポイントまで縮まってしまった。しかし、若きポイントリーダーは「チャンピオンシップのことは考えず、“自由”に走る」と重圧をはねのける決意を示している。マシンの信頼性に不安な面こそあるが、アントネッリにとっては何より僚友ジョージ・ラッセルよりも前でフィニッシュしたいところ。
一方、そのメルセデスを猛追し、勢いに乗っているのがフェラーリ陣営だ。イギリスGPではチャールズ・ルクレールが力強いペースで勝利を収め、僚友ルイス・ハミルトンも3位表彰台を獲得した。終盤のセーフティカーが解除されずハミルトンはP3に終わったが、フェラーリによる1-2で決着してもおかしくない内容だった。好調を維持するフェラーリが、スパの超高速レイアウトでも主導権を握るのか、その走りに大きな期待が寄せられている。
さらに、立て直しが急務となっているのがレッドブルとマックス・フェルスタッペンだ。イギリスでは終盤にリアウイングのトラブルによるダウンフォース喪失でグラベルに捕まり、リタイアに終わった。ローラン・メキース代表は徹底的な原因究明を誓っているが、2戦連続で発生した高速コーナーでのトラブルは大きな懸念材料だ。チームとしてこの難局をどう乗り越えるか、真価が問われる一戦となる。
次戦の舞台となるスパ・フランコルシャンは、オー・ルージュからラディオンへと駆け上がる名物区間や、プーホンといった世界屈指の超高速コーナーが連続する、空力効率とパワーが極限まで問われるカレンダー最長(7キロ超)のトラックだ。「スパ・ウェザー」と呼ばれる予測不能な山の天候も、常にレース展開に波乱をもたらす要素となる。
フェラーリが勢いそのままに連勝を飾るのか、それともアントネッリやフェルスタッペンが悪夢を払拭して再び頂点に君臨するのか。伝統のオールドコースで繰り広げられる激闘から目が離せない。
| 日時 | 内容 |
|---|---|
| 7月17日(金)20:30~ | フリー走行1回目 |
| 7月18日(土)0:00~ | フリー走行2回目 |
| 7月18日(土)19:30~ | フリー走行3回目 |
| 7月18日(土)23:00~ | 予選 |
| 7月19日(日)22:00 | 決勝 |
Formula 1
1周は7.004kmで、決勝レースは44周で行われる。
ホームストレートは短いものの、ターン1の右ヘアピンであるラ・スルスで仕掛けるケースも散見される。
そしてターン1を曲がった後、名物とも言えるオー・ルージュの坂を駆け上がっていく。その先に待ち受けるケメル・ストレートはオー・ルージュからトップスピードが持続され、最大のオーバーテイクポイントとなる。
2000年のベルギーGPではミカ・ハッキネンが周回遅れのリカルド・ゾンタを挟みながら、ライバルのミハエル・シューマッハを抜くという離れ業を見せたことでも有名。このシーンは“F1史上最高のオーバーテイク”の一つとしていまだ語り草になっている。
セクター2からは緩やかな中速コーナーが続き、山下りとなるためにここはダウンフォースが求められる区間。ターン15手前からセクター3に入り、ホームストレートへと戻っていく。ターン15からの立ち上がりをトラクション重視にしたうえで、ターン18のイン側に飛び込んで抜くという駆け引きも有効だ。
トラック特性としてはトップスピードのストレート、そしてターンの多さから、速さとダウンフォースのどちらも求められるコースだけに、バランスや総合力が問われる。
そして、同サーキットは山の中にあり、1ラップで標高差102mもの高低ある中を走る。コース長が長いことも相まって天候が目まぐるしく変わりやすい点も見どころの一つ。通称“スパ・ウェザー”はもはや風物詩であり、レース展開に大きく影響する要素でもある。2021年はウェットの予選となり、決勝でもレース前から雨が振り続ける展開に。ディレイの後にセーフティーカー先導で周回を行うも雨が強まり、3周のみで決勝が打ち切られるという事態になった。
ベルギーGPは2031年までの契約延長に至ったと、2025年1月8日明らかになった。ただし開催年は2025~2027年、2029年、2031年となっており、2028年と2030年はカレンダーに入らず。
後になり2026年2月16日、サーキット・デ・カタルーニャにおけるバルセロナ・カタルーニャGPが2028年、2030年、2032年に実施されると発表された。ベルギーとカタルーニャでのレースが、2027年~2032年はそれぞれ隔年となり、互い違いの実施となる予定。
Red Bull Content Pool
2025年のF1第13戦、ベルギーGP決勝は2025年7月27日に行われた。
現地スパ・フランコルシャンは午前中から雨が降り続き、レコノサンスラップ時点でも雨粒が目立つ状況で、路面はウェット。気温は19℃、路面温度23℃となっている。
予選終了後にカルロス・サインツ、ルイス・ハミルトン、アンドレア・キミ・アントネッリ、フェルナンド・アロンソの4台はパルクフェルメ下での作業が入ったため、ピットレーンスタートとなった。
決勝開始時刻が近づくと雨脚が強まってきて、セーフティーカー先導でのフォーメーションラップ開始とアナウンスされた。タイヤは全車インターミディエイトを装着している。
フォーメーションラップ中、ウォータースクリーンで視界が確保できないことから、レーススタートがサスペンデッド、レッドフラッグとなり各車ピットへと戻った。
Getty Images
それから数十分は雨が強まったものの、現地時間16時が近づくと雨雲が抜ける。路面がまだ濡れていることもあり、メディカルカーがトラック上を走行し、状況を確認する。そして現地時間16:20に再開するとFIAからアナウンスされた。
レースは“スパ・ウェザー”に翻ろうされる状況となったが、80分ほどの中断を経てセーフティーカー先導で再度走行開始となった。この再開時、20台全車が引き続きインターミディエイトを装着している。
セーフティーカーでのランは4周までとなり、ここでSCエンド。5/44周目からローリングスタートでレース再開となった。
グリーンフラッグ後のターン1で大きな混乱はなく、予選ポジション通りでオー・ルージュに入っていく。するとケメルストレートエンドでオスカー・ピアストリがランド・ノリスを抜き、トップに浮上した。
6周目にはジョージ・ラッセルがアレクサンダー・アルボンをターン5でパスし、5番手に上がっている。角田裕毅は7番手走行が続き、前のアルボンを追う展開に。
各所でトレイン状態になる中、トラック上にはドライパッチも目立ってくる。だがオー・ルージュはセクターによってかなり濡れている箇所もあり、スリックタイヤに変更するのはまだ早い状況。各車、インター装着のままで周回を重ねていった。
だが9/44周目に入ると、インターミディエイトのデグラデーションが際立ち、各車のラップタイムが下がってくる。
12/44周目に入るところで、ルイス・ハミルトンが全車最初のタイヤ交換を行う。このラップでピエール・ガスリー、ニコ・ヒュルケンベルグ、アロンソらがスリックに変更してピットアウトしていった。
ドライ勢の走行タイムを見て、次の13周目にはピアストリ、チャールズ・ルクレール、フェルスタッペンもピットに入る。他のドライバーも続々タイヤ交換を行った。
ステイした角田、イザック・アジャー、エステバン・オコンは14/44周目にタイヤ交換を終え、これで全車スリックに変更を終えた。
Red Bull Content Pool
角田はP7を走行していたが、ライバル勢にアンダーカットを許す形になり、ステイが裏目に。ピットアウトすると12番手に順位を落としている。
15/44周目時点でトップはピアストリ。そこから9秒後方の2番手にハードを装着しているノリスとなった。そこから6秒差でP3ルクレール、その1秒後ろに4番手フェルスタッペンという状況に。5番手ラッセル、以下アルボン、ハミルトン、リアム・ローソン、ヒュルケンベルグ、ガブリエウ・ボルトレート、ガスリーと続き、角田はP12となっている。
19番手走行のアジャーは21周目に2度目のピットインを行い、インター、ミディアム、ハードとつないだ。
21周目に入ると、P11ガスリーとP12角田の間隔がDRS圏内まで詰まる。だが角田はマシンをウェット寄りのセットでダウンフォース付け気味にしていることもあり、ターン5でもなかなか抜くには至らない。ガスリートレインに付き合う辛抱の展開が続いた。
Red Bull Content Pool
2ストップするドライバーと、1ストップのままステイし続けるドライバーが入り混じる中、ヒュルケンベルグが34周にピットへと入ったため、角田はP11に浮上。前のガスリーを抜けば入賞圏内という状況になる。
残り7ラップの38/44周時点でトップはピアストリ。2番手は7秒差でノリス、そこから12秒後方に3番手ルクレール、その1.5秒後ろに4番手フェルスタッペンと、上位勢も間隔はなかなか変わらない。
角田は残り2周の43/44周目、ターン5で背後にいたオリヴァー・ベアマンに抜かれ、P12に順位を落としてしまう。ファイナルラップには2ストップのヒュルケンベルグにもパスされ13番手となる。
Getty Images
結局レースは1周目でトップに立ったピアストリがそのまま逃げ切り、同年の6勝目を飾った。2位には最後3.4秒差まで詰めたノリスが入り、マクラーレン1-2フィニッシュとなっている。
3位ルクレールまでが表彰台となり、フェルスタッペンはウェット向けのセットにしていたこともありルクレールを抜くことができず4位となった。5位ラッセル、6位アルボンと続いた。
7位には18番グリッドスタートのハミルトンが入り、序盤でいち早くピットインしたことが奏功し、大きくジャンプアップして6ポイントを奪取した。
8位ローソン、9位ボルトレート、10位ガスリーまでが入賞となっている。
角田は結局13位フィニッシュ。P7スタートだったが序盤でのインター装着時、フェルスタッペンとダブルピットストップができずステイしたのが裏目に。さらにはガスリートレインに長らく巻き込まれるという、展開が向かない一戦となった。これで第8戦モナコGPから6戦連続でノーポイントとなっている。
Getty Images
1/オスカー・ピアストリ/マクラーレン
2/ランド・ノリス/マクラーレン
3/チャールズ・ルクレール/フェラーリ
4/マックス・フェルスタッペン/レッドブル
5/ジョージ・ラッセル/メルセデス
6/アレクサンダー・アルボン/ウィリアムズ
7/ルイス・ハミルトン/フェラーリ
8/リアム・ローソン/レーシングブルズ
9/ガブリエウ・ボルトレート/キックザウバー
10/ピエール・ガスリー/アルピーヌ
11/オリヴァー・ベアマン/ハース
12/ニコ・ヒュルケンベルグ/キックザウバー
13/角田裕毅/レッドブル
14/ランス・ストロール/アストンマーティン
15/エステバン・オコン/ハース
16/アンドレア・キミ・アントネッリ/メルセデス
17/フェルナンド・アロンソ/アストンマーティン
18/カルロス・サインツ/ウィリアムズ
19/フランコ・コラピント/アルピーヌ
20/イザック・アジャー/レーシングブルズ
| レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
|---|---|---|---|
| 第1戦 | オーストラリアGP | 3月6日(金) ~7日(土) | 3月8日(日) |
| 第2戦 | 中国GP | 3月13日(金) ~14日(土) | 3月15日(日) |
| 第3戦 | 日本GP | 3月27日(金) ~ 28日(土) | 3月29日(日) |
| 第4戦 | マイアミGP | 5月1日(金) ~ 2日(土) | 5月3日(日) |
| 第5戦 | カナダGP | 5月22日(金) ~ 23日(土) | 5月24日(日) |
| 第6戦 | モナコGP | 6月5日(金) ~ 6日(土) | 6月7日(日) |
| 第7戦 | バルセロナ・カタルーニャGP | 6月12日(金) ~ 13日(土) | 6月14日(日) |
| 第8戦 | オーストリアGP | 6月26日(金) ~ 27日(土) | 6月28日(日) |
| 第9戦 | イギリスGP | 7月3日(金) ~ 4日(土) | 7月5日(日) |
| 第10戦 | ベルギーGP | 7月17日(金) ~ 18日(土) | 7月19日(日) |
| 第11戦 | ハンガリーGP | 7月24日(金) ~ 25日(土) | 7月26日(日) |
| 第12戦 | オランダGP | 8月21日(金) ~ 22日(土) | 8月23日(日) |
| 第13戦 | イタリアGP | 9月4日(金) ~ 5日(土) | 9月6日(日) |
| 第14戦 | スペインGP | 9月11日(金) ~ 12日(土) | 9月13日(日) |
| 第15戦 | アゼルバイジャンGP | 9月24日(木) ~ 25日(金) | 9月26日(土) |
| 第16戦 | シンガポールGP | 10月9日(金) ~ 10日(土) | 10月11日(日) |
| 第17戦 | アメリカGP | 10月23日(金) ~ 24日(土) | 10月25日(日) |
| 第18戦 | メキシコGP | 10月30日(金) ~ 31日(土) | 11月1日(日) |
| 第19戦 | サンパウロGP | 11月6日(金) ~ 7日(土) | 11月8日(日) |
| 第20戦 | ラスベガスGP | 11月19日(木) ~ 20日(金) | 11月21日(土) |
| 第21戦 | カタールGP | 11月27日(金) ~ 28日(土) | 11月29日(日) |
| 第22戦 | アブダビGP | 12月4日(金) ~ 5日(土) | 12月6日(日) |