2024シーズンのF1は24戦で行われ、同一シーズンにおける過去最多のレース数となった。現行レギュレーションの最終シーズンとなる2025年も、同様に年間24レースとなる。
各チーム、及びパワーユニットメーカーは早くも新規定の2026年に向けて注力する向きがある中、2025シーズンはどのようなシーズンになるのだろうか。
F1は第7戦を終え、トリプルヘッダーの真ん中となる第8戦モナコGPを迎える。
イモラでの一戦はオスカー・ピアストリがポールポジションを獲得し、今季5勝目を狙ってスタートを切るも、ターン1でアウトからかぶせた2番グリッドのマックス・フェルスタッペンがレースリーダーになると、この後はバーチャルセーフティーカー、セーフティーカーの局面でも動じることなく、マクラーレン勢を寄せ付けずトップでチェッカーを受けた。
ここまで7レースを消化し、ピアストリが4勝(146ポイント)、ランド・ノリスが1勝(133ポイント)、フェルスタッペンが2勝(124ポイント)となっている。未勝利ながら総合4位はジョージ・ラッセル(99ポイント)で、総合5位チャールズ・ルクレール(61ポイント)と、ワールドチャンピオン争いはトップ3が頭一つ抜けている状況に。
角田裕毅はエミリア・ロマーニャGP予選Q1、ターン5~6で衝撃的な大クラッシュをしてしまうものの、決勝ではピットレーンスタートからVSCのタイミングでハードからミディアムに換え、そこから最後まで走りきってP10入賞となった。マシンを絶対に壊してはいけないという状況下で堅実に入賞フィニッシュまで持ち込んだことはポジティブな要素だったと言える。また、入賞した10人でタイヤ交換1度のみだったのは角田だけだった。
続く第8戦モナコGPは、言わずと知れた伝統の一戦。だが近年はF1マシンが高速化&大型化し過ぎたこともあり、オールドスクールな公道コースはトラック幅が狭くオーバーテイクが著しく難しいコースとなっている。
2024年はスタート直後に赤旗介入の大クラッシュがあったこともあり、再開時には全車がタイヤ交換義務を消化。そのため事実上のゼロストップレースとなった。その後はタイヤ温存の目的からひたすらペースを抑えながらトレイン状態で走行し、タイヤが持つことがわかった終盤にペースを上げる、という展開となった。そのため“近年稀に見る退屈な一戦”と多くのモータースポーツファンから評された。
昨季の事例もあり『F1』公式は2025年2月26日、モナコGPに特定のレースルールを持ち込むと発表した。それは2度のピットイン、最低でも2種類の異なるタイヤコンパウンド使用を義務とするもの。これでスローペースに落として後続をDRSトレイン状態にさせるというモナコ特有のストラテジーが通用しなくなった。
また、ウォールに囲まれたモンテカルロの特性上セーフティーカー及びバーチャルセーフティーカーがいつ発動するかわからないという点もある。そのため、突発的なタイミングでピットインを消化できたドライバーがアンダーカットもしくはオーバーカットで大きく得をするという展開もあるかもしれない。
伝統のモナコに“特殊なルール”を『F1』は持ち込むこととしたが、これが決勝レースにどのような新展開をもたらすのか、注視したい。
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F1世界選手権が開幕した1950年から、さらに遡ること21年。1929年に初めてモンテカルロ市街地コースでレースが開催された。当時、開催に尽力したアントニー・ノーズは現在でも最終コーナーにその名前を残しており、伝統と歴史を色濃く残す異色のサーキットである。
1973年に行われたコース後半部分の大規模改修によって、現在とほぼ同じコースレイアウトが完成。その後はピットエリアの拡張やF1マシンの進歩に合わせて、安全性向上のための改修が行われ、19のコーナーをつなぐ全長3.337kmの現在のコースに至った。
モナコGPはインディ500、ル・マン24時間レースと並び“世界三大レース”のひとつとして知られている。世界で最も歴史と権威のあるレースは「モナコでの1勝は3勝分の価値がある」と言われるほど。これまでモナコで6勝したアイルトン・セナやミハエル・シューマッハ(5勝)、現役ドライバーではルイス・ハミルトン(3勝)が「モナコ・マイスター」と称賛されている。
コースサイド全体がガードレールに覆われており、一つのミスも許されない市街地サーキットだが、万が一に備えて600名以上のコースマーシャルと100名以上の消防士、15mおきに消火器を設置する安全対策のもと、レースを行っている。
セレブが集まるカジノや高級ホテル、クルーザーやヨットが並ぶ港沿いをF1マシンが高速で駆け抜ける姿は、世界を探してもここでしか見られない光景だ。また、モナコに住むF1ドライバーも多く、レースの週末は自宅からパドックに通勤する姿も見られるという。
2025年2月26日、『FIA』は今後モナコGP決勝について2度のピットイン、最低でも2種類の異なるタイヤコンパウンド使用を義務とする規定を発表した。これは雨の場合でも2度のタイヤ交換が必須とのこと。
伝統の一戦でありながら現代のF1マシンは大きくなりすぎたこともあり、狭いトラック上ではポジションの上下動がほぼ起こらず、”退屈”と指摘する声もある。
2025年9月5日、F1公式はモナコGPについて、2035年まで開催が契約合意に至ったと公表している。
| 日時 | 配信内容 | 解説・実況 |
|---|---|---|
| 5月23日(金)20:30~ | フリー走行1回目 | 解説:田中健一 コメンテーター:浅木泰昭 |
| 5月24日(土)0:00~ | フリー走行2回目 | 解説:柴田久仁夫 実況:サッシャ |
| 5月24日(土)19:30~ | フリー走行3回目 | 解説:松下信治 実況:サッシャ |
| 5月24日(土)23:00~ | 予選 | 解説:中野信治 実況:サッシャ |
| 5月25日(日)22:00~(配信開始21:20~) | 決勝 | 解説:中野信治 実況:サッシャ |
(C)DMM.com
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DAZN|Getty Images
とにかくコース幅が狭く、わずかなミスがクラッシュに繋がる難易度超級の市街地サーキットを決勝では78周する。
コーナー数は全部で19。有名な「ロウズ・ヘアピン」や「トンネル」など、市街地ならではのユニークなコーナーが続いていく。トンネルを抜けた先のシケインが唯一のオーバーテイクポイント。DRSはメインストレートに設定されている。
以前と比べて車体の幅が大きくなっている近年のF1では、レース中のオーバーテイクは非常に難しく、そのため予選順位が極めて重要であり、予選でグリッド最前列を得られなければ大きく勝機を失ってしまうことが予想される。ピット戦略がポジションアップを大きく左右するのもモンテカルロの特徴だ。
また、普段は公道として使われているため、走行を重ねることで路面にタイヤのゴムが付着し、決勝にむけてコースのコンディションが大きく改善していく特徴もある。
外から見ると美しい街並みだが、ガードレールに覆われ、先が見えにくいコースを、ミリ単位のコントロールでマシンを操るF1ドライバーの超人ぶりが感じられるサーキットだ。
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2024年のF1第8戦モナコGP決勝は2024年5月26日に行われた。
現地モンテカルロはF2のレース2から引き続き晴天のドライコンディションで決勝開始時刻を迎えている。
決勝では10人のドライバーが第1スティントにミディアムを選択。10人がハードと、コンパウンドが二分される状況となった。PPのチャールズ・ルクレール~4番グリッドのランド・ノリスまでがミディアム、5番グリッドのジョージ・ラッセル~7番グリッドのルイス・ハミルトンがハード。8番手スタートの角田裕毅はミディアムを選択した。
レースがブラックアウトとなり、ほぼグリッド順でターン1に飛び込んでいく。すると接触の影響でサインツがターン4で直進し、そのままマシンストップ。
DAZN
後ろのターン3では大きなクラッシュが発生し、ケビン・マグヌッセンがセルジオ・ペレスの右後ろに接触し、ペレスとハース2台が絡んで止まった。
ペレスのマシンは大破する状況だが、メキシコ人ドライバーはすぐにコクピットから出ている。トラック上には大量のデブリが散乱しており、レースはすぐさま1周目の途中で赤旗となった。
また、赤旗前のターン8ではエステバン・オコンが僚友ピエール・ガスリーに対して強引な仕掛けを行い、オコンはガスリーのタイヤに乗り上げて大きなダメージを受け、リタイアを選択している。
トラック上のデブリ除去、安全確認で時間を要したが、ガードレールを補修したうえで、日本時間22:44(現地時間15:44)よりレース再開とアナウンスされた。
スタンディングスタートでの再開を前に、ローガン・サージェント以外のマシンはタイヤ交換を済ませて、16台がグリッドに着いた。
3/78周目から再開となり、再びほぼグリッド順のままでコントロールラインに戻ってきた。トップはルクレールで2番手オスカー・ピアストリ、3番手サインツ、4番手ノリス、5番手ラッセル、6番手マックス・フェルスタッペン、7番手ハミルトン、8番手角田裕毅という順番となる。
Getty Images
再開時点で上位勢はすでにタイヤ交換を終えていることもあり、78周目の最後までタイヤを持たせることも視野に入れ、レースペースをかなり抑えた周回が続く。モナコ特有、各ポジションでトレインが発生する流れとなった。
レース途中、ハードタイヤに交換して最後尾に回ったバルテリ・ボッタスが1分16秒台でファステストラップを出した一方、トップのルクレールは4秒ほど遅い1分20秒台で周回を続ける。
28/78周目でトップはルクレール(ハード/H)。すぐ1秒後方に2番手ピアストリ(H)、さらに2秒後ろに3番手サインツ(H)、そこから1秒差で4番手ノリス(H)というトップ4の並びに。
その14秒後方に5番手ラッセル(ミディアム/M)、2秒後ろに6番手フェルスタッペン(M)、4秒後方に7番手ハミルトン(M)という5番手~7番手となる。ハミルトンから12秒離され、角田(H)は8番手で周回を続けていった。各車は予選タイムから8秒~10秒ほども遅い、抑えたペースで周回を重ねていく。
パレードラン状態ながらピットに誰が最初に入るのか、それとも入らないのか、という各チームの駆け引きが続く。
上位勢では52/78周目にハミルトンがピットへと入った。その後、続いてフェルスタッペンもタイヤ交換を行う。ともにポジションを落とさず、トラックへと戻ることに成功している。
Red Bull Content Pool
角田は8番手で走行を続け、すぐ後ろを走るアレクサンダー・アルボンと長らく事実上の8番手争いを続けている。
タイヤ交換を行った6番手フェルスタッペンは、5番手ラッセルとの差が一時は大きく開いたが、63/78周目にはほぼテールトゥーノーズ状態となる。ここからフェルスタッペンはプレッシャーをかけるも、モナコでは抜きどころがなく、トレイン状態が続く。
角田も残り14ラップまでペースをセーブしていたが、最後まで走りきれる見通しがついたため、チームから無線で「ペースを上げていいよ」と連絡が入る。角田は「その言葉を聞きたかった」と返答。アルボンを抑え込むための走りを辞め、ペースを一気に上げる。なお、この時点で8番手角田は7番手ハミルトンのラップダウンになるという、事実上90秒以上差がつく状況となっている。
残り9ラップの70/78周に入ると、トップのルクレールはペースを上げ、2番手ピアストリとの差を8秒まで広げた。
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そのままルクレールがトップで78周目のチェッカーを受け、待望の母国GP初制覇を果たした。また、モナコ人ドライバーにとっては2年ぶりの勝利、2024年初Vとなった。モナコ人がモナコGPを制したのは、F1前身時代のルイ・シロン(非選手権の1931年)以来2人目。F1では初となる。
2位ピアストリ、3位サインツまでが表彰台に上がっている。4位はノリスだった。ラッセルが5位を守りきり、フェルスタッペンは0.5秒差で6位だった。7位にハミルトンが続いた。
角田は8位でフィニッシュ。前の上位勢が誰もリタイアしなかった中、8番グリッドからそのまま8番手でゴールし、このレースでも“ベスト・オブ・ザ・レスト”となった。
3/78周目の赤旗再開後、角田は76周ハードタイヤを持たせた上に、最後にはファステストラップ狙いで一気にペースを上げる。1:14.720でファイナルラップを周回したものの、惜しくも1ポイント加算とはならず。それでも4ポイントを手にした上に、卓越したタイヤマネージメント能力も示した一戦となった。
9位アルボン、10位ガスリーまでがポイントを手にした。
決勝では3周目から長らく持久戦となったこともあり、予選トップ10の並びがそのまま決勝の入賞圏内で、同じ順番でフィニッシュするというリザルトになっている。
Red Bull Content Pool
1/チャールズ・ルクレール/フェラーリ
2/オスカー・ピアストリ/マクラーレン
3/カルロス・サインツ/フェラーリ
4/ランド・ノリス/マクラーレン
5/ジョージ・ラッセル/メルセデス
6/マックス・フェルスタッペン/レッドブル
7/ルイス・ハミルトン/メルセデス
8/角田裕毅/VCARB
9/アレクサンダー・アルボン/ウィリアムズ
10/ピエール・ガスリー/アルピーヌ
11/フェルナンド・アロンソ/アストンマーティン
12/ダニエル・リカルド/VCARB
13/バルテリ・ボッタス/キックザウバー
14/ランス・ストロール/アストンマーティン
15/ローガン・サージェント/ウィリアムズ
16/チョウ・グァンユ/キックザウバー
-/エステバン・オコン/アルピーヌ
-/セルジオ・ペレス/レッドブル
-/ニコ・ヒュルケンベルグ/ハース
-/ケビン・マグヌッセン/ハース
| レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
|---|---|---|---|
| 第1戦 | オーストラリアGP | 3月14日(金) ~15日(土) | 3月16日(日) |
| 第2戦 | 中国GP | 3月21日(金) ~22日(土) | 3月23日(日) |
| 第3戦 | 日本GP | 4月4日(金) ~ 5日(土) | 4月6日(日) |
| 第4戦 | バーレーンGP | 4月11日(金) ~ 12日(土) | 4月13日(日) |
| 第5戦 | サウジアラビアGP | 4月18日(金) ~ 19日(土) | 4月20日(日) |
| 第6戦 | マイアミGP | 5月2日(金) ~ 3日(土) | 5月4日(日) |
| 第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月16日(金) ~ 17日(土) | 5月18日(日) |
| 第8戦 | モナコGP | 5月23日(金) ~ 24日(土) | 5月25日(日) |
| 第9戦 | スペインGP | 5月30日(金) ~ 31日(土) | 6月1日(日) |
| 第10戦 | カナダGP | 6月13日(金) ~ 14日(土) | 6月15日(日) |
| 第11戦 | オーストリアGP | 6月27日(金) ~ 28日(土) | 6月29日(日) |
| 第12戦 | イギリスGP | 7月4日(金) ~ 5日(土) | 7月6日(日) |
| 第13戦 | ベルギーGP | 7月25日(金) ~ 26日(土) | 7月27日(日) |
| 第14戦 | ハンガリーGP | 8月1日(金) ~ 2日(土) | 8月3日(日) |
| 第15戦 | オランダGP | 8月29日(金) ~ 30日(土) | 8月31日(日) |
| 第16戦 | イタリアGP | 9月5日(金) ~ 6日(土) | 9月7日(日) |
| 第17戦 | アゼルバイジャンGP | 9月19日(金) ~ 20日(土) | 9月21日(日) |
| 第18戦 | シンガポールGP | 10月3日(金) ~ 4日(土) | 10月5日(日) |
| 第19戦 | アメリカGP | 10月17日(金) ~ 18日(土) | 10月19日(日) |
| 第20戦 | メキシコGP | 10月24日(金) ~ 25日(土) | 10月26日(日) |
| 第21戦 | サンパウロGP | 11月7日(金) ~ 8日(土) | 11月9日(日) |
| 第22戦 | ラスベガスGP | 11月20日(木) ~ 21日(金) | 11月22日(土) |
| 第23戦 | カタールGP | 11月28日(金) ~ 29日(土) | 11月30日(日) |
| 第24戦 | アブダビGP | 12月5日(金) ~ 6日(土) | 12月7日(日) |