角田裕毅が2024年新契約を鈴鹿のファンに報告…表彰台の下からその姿を温かく見守っていた“兄貴分”“良き理解者”とは？｜F1

今季の第17戦、日本GP開催中の9月23日AM9、アルファタウリから2024年のレギュラードライバーとして、角田裕毅＆ダニエル・リカルドのセットで挑むと公式発表された。

同日のフリー走行3回目が始まる十数分前、鈴鹿の表彰台には角田が登場。会場に詰めかけたF1ファンに向けて、本人が契約延長報告を行った。

「みなさん、おはようございます」

「これから歌うような、歌手になった気分なんですけど」

「はい、ご存知の方もいると思うんですけど、来年2024年アルファタウリから参戦することになりました。まずはホンダのみなさんとレッドブルのみなさん、本当にありがとうございます」

「また来年ファンの皆さんの前で、4月に鈴鹿を走れることが楽しみです。まだ予選と決勝があるんで、これから頑張りますけど。まずはみなさんに良い報告ができて何よりです」

「今週はホンダにとって75周年でもあるので、ホンダのみなさんと一緒にこの鈴鹿を盛り上げて、僕はホンダのドライバーとして少しでも恩返しできるような結果を出していきたいと思います」

「それではまた。予選と決勝がありますし、まずは予選Q3に進出できるように頑張ります。みなさん、応援よろしくお願いします」

Masaki CHIBA

2021年にアルファタウリからF1デビューした角田。2024年の契約を結んだことにより、同チームでの4シーズン目に突入することが確定となった。

そして、鈴鹿の表彰台で行われた角田の契約延長報告を、温かく見守っていた先輩ドライバーがいた。

角田の壇上報告はFP3が開始となる15分ほど前、11時15分頃のタイミング。表彰台の前がウィリアムズのピットだったということもあったが、アレクサンダー・アルボンがピット前まで出てきて角田の言葉に耳を傾けていた。日本のファンの前で日本語で行われたものの、アルボンは角田の言葉を聞きながら、要所で拍手を贈っている。

Masaki CHIBA

1996年生まれ、現在27歳のアルボンはレッドブルジュニア出身。2018年にはF2においてジョージ・ラッセル、ランド・ノリスに続く総合3位となり、2019年にトロロッソ（現アルファタウリ）からF1デビュー。同シーズンはレッドブルに昇格したばかりのピエール・ガスリーが不振だったため、シーズン半ばにガスリーがトロロッソ降格、アルボンがレッドブル昇格となった。

翌2020年末までアルボンはレッドブルのレギュラードライバーとして奮闘するも、僚友マックス・フェルスタッペンとの差が際立っていたこともあり、2021年はセルジオ・ペレスに弾かれる形でリザーブに降格した。

Getty Images

2021年は角田がアルファタウリからF1デビューを果たしたシーズンでもある。F1初年度で苦労していた角田のアドバイザーとして、レッドブルリザーブのアルボンが、シーズン途中からサポート役に回ったことは有名だ。

そして2022年はメルセデス行きの決まっていたラッセルの推薦もあり、アルボンはウィリアムズのレギュラードライバーに抜てきされ、それ以降は下位チームながらウィリアムズで改めて存在感を示している。抜群のタイヤマネージメントやマシンパフォーマンスを最大限引き出す能力などが今一度評価され、アルボンには上位チームから引き抜きのうわさが浮上している状況だ。

これまで旧トロロッソ、及び現アルファタウリにおいてセバスチャン・ブエミ、ハイメ・アルグエルスアリ、ジャン＝エリック・ベルニュなどが3シーズン続けてレギュラードライバーを務めた例があるものの、4シーズン続けて乗るドライバーは角田が初となる。

今でこそアルボンはレッドブルから外れた状況となった。だが同グループのドライバーとして戦い続けることの大変さを、タイ人ドライバーは身をもってよく知っている。だからこそ弟分でもある角田の4シーズン目突入を受け、契約延長報告の場でエールを贈っていたのかもしれない。

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