デ・フリース「痛みは伴ったが、人生が終わるわけじゃない」契約解除後の沈黙を破り、感謝の言葉…一方で恨み節発言の報道を完全否定｜F1

アルファタウリから契約解除となったニック・デ・フリースが、沈黙を破りチームに感謝の意を述べている。

11日、アルファタウリはデ・フリースがチームから離脱することを公表。第12戦ハンガリーGPから、ダニエル・リカルドがAT04を駆ることになった。

28歳のオランダ人ドライバーは今季、待望のレギュラーシートを獲得したものの、ここまでアルファタウリで入賞はなし。そしてイギリスGP終了後に契約解除が発表された。今季10レース終了時点で、デ・フリースのF1キャリアは道が閉ざされることになっている。

チーム離脱後から沈黙を続けていたデ・フリースは現地時間19日、自身のSNSを通じてレッドブル＆アルファタウリに対する感謝の気持ちを示した。

「ここ最近はSNSから離れて、自分の時間をゆっくり取ることにしていました」

「僕にとって幼い頃からの夢だった。F1で走るチャンスを与えてくれた、レッドブル、そしてスクーデリア・アルファタウリに感謝したい」

Getty Images

「長い間夢だったF1のキャリアが短い期間で終わったことは残念だし、痛みを伴うものではありました。でも人生がここで終わるわけじゃない。ドライバーとしてのキャリアは長い旅のようなもの。ときには望み通りにいかないことだってあるし、厳しい道を歩まなければならないこともある」

「僕のこのチャレンジを応援してくれた家族、友達、ファンのみんなを誇りに思っているよ。これは自分にとって一つの大きな経験だった。次のチャプターを楽しみにしながら、これからも前を向いて歩いていく」

「先週、発表があってから多くの人達から励ましのメッセージをいただきました。心から御礼を申し上げたい。皆さんからの応援、サポートを感じて心が温かくなりました」

Red Bull Content Pool

そしてデ・フリースは、一部メディアで報じられていた自身の記事内容が、事実とは異なると明確に述べた。

「先日、自分が発言した言葉として、とあるメディアで伝えられていた。はっきり言うと自分はどのメディアに対してもそのようなことは話したことがないし、事実ではない」

レッドブルグループへの恨み節のほか、複数年契約、レッドブル昇格を約束されていたかのような旨のセリフを口にした報道もあった。だがデ・フリース本人は実際にこれまで沈黙を貫いており、その内容を完全否定する形になっている。

そしてオランダ人ドライバーは「しばらく、自分の時間をゆっくり楽しみたいと思う。皆さん、良い夏をお過ごしください」と記し、感謝の言葉で締めくくった。

Red Bull Content Pool

1995年生まれ、現在28歳のデ・フリースは2019年にF2王者となるも、翌シーズンのF1シートに空きがないことから、F1昇格はかなわず。メルセデスのリザーブを務めながら、フォーミュラEにも参戦し、同チャンピオンシップで戴冠を果たしている。

2022年のイタリアGPではウィリアムズのアレクサンダー・アルボンが虫垂炎で急遽欠場することになり、デ・フリースが代役として緊急登板。スポット参戦という状況ながら、モンツァではいきなり9位入賞を果たし、一躍注目を浴びた。

この活躍を受けて2023年はアルファタウリのレギュラードライバーとなるも、同チームではポイントに手が届かず。結果として第11戦イギリスGP終了後、契約解除の憂き目に遭った。

遅咲きでF1のシートを手にした苦労人デ・フリース。結果としてF1では短い旅程となってしまったが、本人はチャンスを与えてくれたレッドブルグループに対して、率直に感謝の気持ちを示した。また、契約解除後に恨み節を発したとされる自身の報道は、事実とは異なると完全否定している。

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