Jリーグで異彩を放ち、相手を翻弄するプレーぶりから“魔術師”と呼ばれた男が、闘病の末に死去した。
ブラジル・バイーア州ヴィトリア・ダ・コンキスタ市出身のレアンドロ・ドミンゲス氏は、国内クラブのヴィトーリアユースで育成を受けると、2001年1月にはトップチーム昇格。2005-2006シーズンにはカンピオナート・ブラジレイロ・セリエC(ブラジル全国サッカーリーグ3部)に降格したクラブを1年でセリエBへ昇格させる原動力となった。
以降も国内でプレーしていたL・ドミンゲス氏だったが、2010年1月には柏レイソルへ完全移籍。当時柏はJ2リーグを戦っていたが、L・ドミンゲス氏のあまりのプレースキルの高さに「J2では反則級」といった声が周囲から上がったほどだった。2010シーズンにクラブ初のJ2優勝&1年でのJ1復帰に貢献すると、翌2011シーズンは背番号「10」を背負ってJリーグ史上初となる昇格1年目でのJ1優勝を達成。自身も30試合で15ゴール7アシストを記録し、Jリーグ最優秀選手賞(MVP)を受賞した。
2014-2015シーズンは名古屋グランパスでプレー。左ハムストリング肉離れや右ひざの負傷に悩まされ、公式戦出場は16試合(3ゴール4アシスト)にとどまった。2016年1月には古巣のヴィトーリアへフリー移籍。2017-2020シーズンにかけて横浜FCでプレーして再びJリーグのファンを魅了すると、母国クラブ・ベティム所属を最後に2023年1月に現役を引退した。
L・ドミンゲス氏は2022年から精巣がんのため闘病していることが明らかとなっていた。4月2日、同氏がプロデビューを飾ったヴィトーリアはクラブ公式Xを更新し、次のように“魔術師”の訃報を伝えている。
「ヴィトーリアは、アイドルであるレアンドロ・ドミンゲスの死をとても残念に思っています」
「レアンドロは常にピッチ上で真のマエストロであり、クラブに対する決意と情熱を示してきました」
「彼の強さ、献身、そして模範的な人間としての遺産は、これからも世代を超えてインスピレーションを与え続けるでしょう」
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